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2023年度防災教育交流フォーラム

2023年度実践団体の紹介

「2023年度防災教育交流フォーラムの様子」

 去る2023年9月18日と10月14日に、『2023年度防災教育交流フォーラム』が開催されました。
 今年度の防災教育交流フォーラムは、『学校・地域連携を高める防災教育~コミュニティ・スクールを基盤とした展開~』と題し、防災教育交流会は現地横浜国立大学で開催、中間報告会は昨年に引き続きオンライン開催いたしました。
 9月18日は防災教育交流会として、ぼうさいこくたい2023と連携し、横浜国立大学会場から防災教育分野代表者による基調講演とパネルディスカッションを行いました。
 10月14日の中間報告会は、あらかじめ視聴した実践団体の活動発表動画を中心に、現在の活動における課題共有やこれからの方針など、実行委員、実践団体をはじめとした参加者でのディスカッションを行いました。
 下記に、防災教育交流フォーラムの様子をご報告いたします。

【9月18日(月・祝):防災教育交流会】

■開会挨拶

西澤 雅道 氏(内閣府政策統括官(防災担当)付企画官(普及啓発・連携担当))  開会挨拶では、西澤 雅道 氏(内閣府政策統括官(防災担当)付企画官(普及啓発・連携担当))より、『登壇される先生方の資料を拝見し感動しました。振り返ると私は2013年の災害対策基本法改正のメンバーでして、その時に「地区防災計画制度」というものを創設しました。それは何かというと、コミュニティと防災計画というものです。市町村や都道府県の「地域防災計画」というのがありますが、それのコミュニティ版を作ったということです。コミュニティと市町村がうまく連携し、地域の防災活動に取り組んでいくという仕組みを作ったのですが、学校というのはコミュニティのベースとなってそういう活動が行われています。地区防災計画ができて10年経ち、全国8000以上の地区で作成されていますが、学校を起点とした事例も何例かございます。この中のいくつかの事例はすでに学校で地区防災計画の実体的に活動が行われています。それが自発的、内発的に続いているのです。それが素晴らしいと思いました。』とご挨拶いただきました。

■基調報告

佐藤 健 氏(東北大学災害科学国際研究所 防災教育実践学分野 教授)
『コミュニティ・スクール×防災教育の持続可能性』をテーマにご講演いただきました。

佐藤 健 氏(東北大学災害科学国際研究所 防災教育実践学分野 教授) 講演では、
 『CS(コミュニティ・スクール)のパイオニアである御所南小学校では学校と地域の連携協働が進んでいくといろいろな好循環が生まれる。長続きするためにはフィールドワーク、フレームワーク、チームワーク、ネットワークという4つのワークが必要である。特にフレームワークはCSの協議会そのものであると教えていただいた。他、実践例としては、2012年度チャレンジプラン実践団体である横浜市立北綱島小学校の防災拠点訓練(2013年)で、子どもが訓練を「面白かった」と言ったのを聞き、災害は楽しいことではないが、防災は楽しく学習しているのではないかと感じた。その後2018年の訓練の様子ですが、運営委員として小学校を卒業した先輩たちがボランティアで来ていて、その活躍している姿を子供たちが見ると自分が大人になったときに同じようにするということが実現化されていることが確認でき、活動しながら次世代の人材を育んでいると感動した。また、北綱島小学校は安全防災教育を重点取組分野のひとつとしているが、校長が変わっても発展して取り組んでいる。学校安全教育を学校経営計画の重点取組分野に位置づけられれば持続可能な取組になりえるのではないか。』とお話をいただきました。
 また、宮城県の地域に根差した次世代の人材の誕生と成長や東日本大震災被災地である石巻市でのCSの取組等について、それぞれご紹介いただき、『子どもと大人、学校と地域が一緒になった活動というのは遠回りで面倒だという側面もあるが、災害伝承と防災教育の推進には必要である。活動しながら次世代の地域人材を育むことで防災だけでない持続可能な地域づくりにも繋がっていく。』とお話をいただきました。


■防災教育関係の代表者等によるパネルディスカッション

 防災教育関係の代表者等により、テーマを元としたそれぞれの活動や研究、知見によるパネルディスカッション形式の意見交換を行いました。

テーマ

学校・地域連携を高める防災教育
~コミュニティ・スクールを基盤とした展開~

コーディネーター

佐藤 公治 氏(博士(環境人間学)/南三陸町立歌津中学校 主幹教諭)
佐藤 公治 氏
(博士(環境人間学)/南三陸町立歌津中学校 主幹教諭)
 

パネリスト

竹原 和泉 氏(特定非営利活動法人まちと学校のみらい 代表理事)
竹原 和泉 氏
(特定非営利活動法人まちと学校のみらい 代表理事)
鷲山 龍太郎 氏
(元横浜市立小学校長 「防災塾・だるま」塾長)
鷲山 龍太郎 氏(元横浜市立小学校長 「防災塾・だるま」塾長)
佐藤 健 氏(東北大学災害科学国際研究所 防災教育実践学分野 教授)
佐藤 健 氏
(東北大学災害科学国際研究所 防災教育実践学分野 教授)
村山 猛 氏
(千葉県立香取特別支援学校 校長)
村山 猛 氏(神戸学院大学 現代社会学部社会防災学科 教授)
木下 史子 氏(文部科学省総合教育政策局 男女共同参画共生社会学習・安全課 安全教育調査官)
木下 史子 氏
(文部科学省総合教育政策局
  男女共同参画共生社会学習・安全課 安全教育調査官)
下記(YouTube)にて、発表当日の模様をご覧いただけます。
(※データ容量が大きいため、表示に時間がかかる場合があります。
https://youtu.be/FP3CivOHm94

【10月14日(土):中間報告会】

■開会挨拶

村上 威夫 氏(内閣府政策統括官(防災担当)付 参事官(普及啓発・連携担当))  開会挨拶では、村上 威夫 氏(内閣府政策統括官(防災担当)付 参事官(普及啓発・連携担当))より、『防災教育チャレンジプランは、いつ起こるかわからない災害に備え万が一被害にあったときでもすぐに立ち直れる力を一人一人が身に着けるための防災教育を推進するプランとして2004年に始まり、今年は20年の節目を迎える年です。
 かつて小中学校における実践活動から始まったこの防災教育チャレンジプランですが、近年は小中高等学校に加え、大学、地域の協議会、コミュニティ団体等さまざまな団体に参加いただき、これまで多くの実践活動を支援し、育てて参りました。そして今年も11の団体にご参加いただいております。
 本日の中間報告会ですが、実践団体の皆さまには事前に活動紹介のビデオを作成いただきました。私も拝見いたしましたが、それぞれ興味深い取組をされており、この後のディスカッションを楽しみにしているところです。実行委員の皆さまにおかれましても、この後のブレイクアウトルーム、あるいはその後のクロージングセッションの場で様々な知見を実践団体の皆さまにご提供いただければ幸いです。本日の意見交換を通じて、各実践団体の取組が共有されるとともに、実行委員の皆さまからの貴重なご助言によって今年度後半の実践団体の皆さまの活動が益々充実されるものになれば幸いです。是非、本日は実りある会になるよう祈念いたします。』とご挨拶いただきました。

林 春男委員長(京都大学名誉教授)  林 春男委員長(京都大学名誉教授)より、『2023年度の防災教育チャレンジプラン中間報告会にご参加いただきまして誠にありがとうございます。村上参事官からご紹介がありましたように2004年から始めてもう20年活動を続けています。基本的には対面でいろいろな形の交流をし、採択したプランが1年をかけてどんどん進化していくのを一緒に見ていくという趣旨の会です。ところが2020年からはコロナの影響もあり、オンライン開催中心にシフトをしています。その中で参加団体の皆さんには事前に10分程度のビデオを作っていただき、それをみんなが見てきたという前提にたってブレイクアウトルームの中で他の実践団体との交流、また実行委員との交流をしていただいて、今後に向けてプログラムをさらに改良していただくということをお願いしています。年度当初に計画を出していただいていますが、その計画に忠実に実行することだけをお願いをしているわけではありません。今日、またはその後も含めて様々な交流がありますので、その交流を通して、もっとこうしたらプログラムが良くなるというものが見つかったら、是非躊躇なく採用していただければと思います。交流をたくさんすることで、新しいひらめきやアイデアとたくさん出会っていただき、結果として実践がより優れたものになることを期待しています。』とご挨拶いただきました。


■防災教育チャレンジプラン実践団体発表

 中間報告会は、2023年度防災教育チャレンジプランに取り組んでいる実践団体(11団体)が、活動経過や今後の課題をZoomによるブレイクアウトルーム形式で共有し、実行委員をはじめとした参加者からのコメント等をもとに2月の活動報告会までの活動をより良くすることを目的に開催されました。
 実行委員からのコメントは各実践団体へコメントシートとして後日配布し、良かった点や改善点、アドバイスなどをお伝えします。

下記(YouTube)にて、発表当日の模様と実践団体発表動画をご覧いただけます。
(※データ容量が大きいため、表示に時間がかかる場合があります。)

開会挨拶、今年度の趣旨・概要の説明
https://youtu.be/oEr1KF6kRgE
実践団体発表動画
https://www.youtube.com/playlist?list=PLyCETxXAdkgCTFyVV83hsMgfsWRBTyMxV
クロージングセッション、閉会挨拶
https://youtu.be/P10njrDKCyI

 林 春男委員長より、全体講評として『事前に動画視聴をし、テーマにそってブレイクアウトルームで議論をするというスタイルになって随分時間も経ちました。進め方は各ルーム様々でしたが、どのセッションでも非常に良い議論がされていたと共通の印象を持ちました。冒頭に最初の計画に忠実であるよりは新しいものが見つかったら是非積極的にそれに取り込んで欲しいと申し上げましたが、そういう意味では色々な気づきがそれぞれのブレイクアウトルームの中から生まれてきているのではないかという印象を大変強く持ちました。ブレイクアウトルームをオンラインでやるということで空間的な隔たりというものがある意味無くなるので全国様々な場所にいる人がリアルに接触が出来るというのは非常に大きなメリットではあると思うので、それを活かしていただいて後半の色々なセッションの中で是非もうひと伸びにつなげていただければと思った次第です。』とお話しいただきました。

 最後に、村上 威夫 参事官より閉会の挨拶として、『本日2時間半にわたる会議お疲れ様でした。一方で大変有意義な会議であったと思います。
 ブレイクアウトルームを見させていただきましたが、様々な団体が「ぼうさいこくたい」に参加して発表をされたりしたということがあります。一方でもう少しうまく使うべきだなという気もいたしました。現地に行かれているけれど、他の団体と連絡を取り合う余裕が無かったなど、そういったお話もありました。来年の「ぼうさいこくたい」は10月19日、20日に熊本市での開催が決まっております。この機会がうまく使えるようにチャレンジプランとの組み合わせも考えていきたいと思っております。
 最後に改めまして、本日ご参加いただきました実践団体の皆さま、実行委員会の皆さまに感謝を申し上げますとともに、本日の中間報告会を契機としまして、各実践団体の皆さまの活動と交流が一層深まることを祈念いたしまして閉会の挨拶とさせていただきます。』とご挨拶いただきました。


 なお、今年度の最終的な成果報告は、2024年2月10日(土)に開催する予定です。


【防災教育チャレンジプラン事務局】