●若い人たちの防災に関わる能力の向上を図るため、防災教育活動の情報提供の場としてこのサイトを運営しております●
防災教育チャレンジプラン
サイト内検索 
防災教育チャレンジプラン募集 2020年度チャレンジプラン団体の紹介 防災教育事例集→検索 防災教育Q&A チャレンジプラン実行委員会のコラム 防災教育に役立つリンク集

ホーム > 2020年度防災教育交流フォーラムの様子

2020年度防災教育交流フォーラム

2020年度実践団体の紹介


「2020年度防災教育交流フォーラムの様子」

 去る2020年10月3日・4日の両日、オンラインで『2020年度防災教育交流フォーラム』が開催されました。
 今年度の防災教育交流フォーラムは、『新型コロナ禍の防災教育-新たなまなび・続けるまなびのチャレンジ』と題し、感染拡大防止のため、初のオンライン開催としました。
 1日目は防災教育交流会として、同じくオンライン開催となったぼうさいこくたい2020と連携し、防災教育行政関係者による基調講演と、過去の防災教育チャレンジプラン実践団体など、新型コロナ禍で防災活動を実践している団体の方々と防災教育専門家によるパネルディスカッションを行い、620名の方にご視聴いただきました。
 2日目の中間報告会は、防災教育チャレンジプラン関係者のみによる開催とし、実践団体による現在の活動における課題共有や、実行委員を交えたディスカッションを行いました。
 下記に、防災教育交流フォーラムの様子をご報告いたします。


1日目:防災教育交流会

■開会挨拶

林 春男委員長(国立研究開発法人 防災科学技術研究所 理事長)  開会挨拶では、林 春男委員長(国立研究開発法人 防災科学技術研究所 理事長)より、「今年は新型コロナ禍でオンライン開催になりましたが、コロナの事態を受けて、防災教育に励んでいる皆さんがどんな工夫をされていたのかということについて、様々な学びをしたいと思っておりますので、ぜひ最後までご視聴いただければと思っています。」とご挨拶を頂きました。

中尾 晃史様(内閣府政策統括官(防災担当)付参事官(普及啓発・連携担当))  中尾 晃史様(内閣府政策統括官(防災担当)付参事官(普及啓発・連携担当))より、「様々な活動が一緒になることがとても重要だということを考えておりますし、学校だけでなく地域と一体となって防災教育の活動をされているということは、地域の防災力を高める地域防災の一員を担っているということからもこの活動をこれからも推進をしていかなくてはいけないと思っております。
 今の時代は新型コロナ禍で学校の現場も厳しい状況に置かれていると思います。そういった中でもできる限りの形で、防災教育の取組みをますます活発にしていければと思います。」とご挨拶を頂きました。


■基調講演

○戸田 芳雄様
(学校安全教育研究所 代表 / 日本安全学会 理事長)

戸田 芳雄様(学校安全教育研究所 代表 / 日本安全学会 理事長)  『新型コロナ禍で育まれた生きる力に関する実践事例』をテーマに「生きる力をはぐくむ防災教育の展開~コロナ禍にも負けない学校・家庭・地域の取組充実と連携~」と題してご講演いただきました。
 講演では、これからの防災教育の課題としては「①教職員等の能力向上、②学校、家庭及び地域社会との連携、③機能する危機管理体制の整備や幅広い安全対策、④実際に役立つ避難訓練や地域での防災学習」が挙げられる。
 一方で、新型コロナウイルス感染症予防対策の観点からは「①全ての活動における3密(密閉、密集、密接)を避け、適切にマスクを着用するなど新しい生活様式の定着、②避難訓練等での3密の確保、③最大ボランティア活動における予防対策の実施と情報の共有」があると述べられました。
 それらの課題を解決するためには、「最近の安全教育・危機管理に関わる動向や背景を理解することが大切である」こととし、課題解決の方策としての具体例を「①教育課程に位置付けた計画的かつ創意工夫した防災教育の展開による児童生徒等の災害対応能力の育成②学校防災に関する知識の習得と体験など安全意識の向上や様々な状況下での児童生徒等の安全確保につながる教職員の研修の充実、③学校における地域の災害特性を踏まえた実効性のある防災マニュアル等の作成、校内研修の支援などに関する教育委員会の強化、④地域ぐるみの学校防災体制の構築のための地域や保護者、関係機関等の取組の充実と連携の強化や地域における各団体等の防災への取組の活性化、⑤生涯学習の視点から、様々な場を活かした東日本大震災等の過去の災害の記憶や教訓を風化させない取組の継続(持続)と拠点づくり、⑥新型コロナウイルス感染症(COVID-19)予防対策の面から、過度を恐れず適切に備え、的確に判断・行動することが必要である。」として新型コロナ禍のなかで必要とされる防災教育に関するお話をいただきました。


■防災関係各界の代表者等によるパネルディスカッション

 新型コロナ禍で防災活動を実践している団体の方々により、防災教育における各位の取組の紹介と『新型コロナ禍で育まれた生きる力に関する実践事例』をテーマとしたパネルディスカッションを行いました。

<各位の取組紹介>

益田 紗希子様(ミラクルウィッシュ)

○益田 紗希子様
(ミラクルウィッシュ)

 新型コロナ禍での防災教育に関する取り組みとして、SNSやオンラインを使用した活動をご紹介いただきました。具体的には、インスタライブでの「171」の啓発、自宅備蓄、トイレ備蓄、ポリ袋クッキング、zoomでの防災講座、リーフレットと啓発用のうちわの制作などの活動をご紹介いただきました。

 

幾島 浩恵様(上富田ふれあいルーム)

○幾島 浩恵様
(上富田ふれあいルーム)

 「季節のイベント防災」をテーマに、熱中症予防のための「新聞を使用した帽子づくり」、輪ゴム鉄砲を活用した「防災〇×クイズ」、バンダナを利用した「防災頭巾・マスク・包帯・スリッパの作成」、「171」の体験等の活動をご紹介いただきました。

 

長屋 和宏様(吾妻学園おやじの会)

○長屋 和宏様
(吾妻学園おやじの会)

 「吾妻学園防災手帳」をテーマに、新型コロナ禍での取り組みをご紹介いただきました。「防災手帳を活用した授業の実施」、親子で家にて防災を考える機会として、「東日本大震災を振り返るワークシートの実施」、「市内全ての小学校に吾妻学園防災手帳を展開」「強化単元との連携の強化」等の活動をご紹介いただきました。

 

古賀 元博様(南阿蘇村立南阿蘇中学校)

○古賀 元博様
(南阿蘇村立南阿蘇中学校)

 「熊本地震から4年」をテーマに、本年度の取組み予定の活動をご紹介いただきました。 「全校防災学習」「全教科で行う防災学習基礎講座」「3年生が運営者となって行う避難所運営訓練」「新阿蘇大橋建設現場見学」等、工夫をしながら、これまでの内容を継続して取り組む予定である旨をご紹介いただきました。

 

齋藤 朝子様(埼玉県立日高特別支援学校)

○齋藤 朝子様
(埼玉県立日高特別支援学校)

 「車椅子の視点から」をテーマに、新型コロナ禍での防災教育に関する取り組みとして、オンラインを活用した、「防災体験プログラム(遠隔ロボット織姫を子供たちが操作)の実施」、YouTube配信で「かわせみ防災タイムの防災学習」等の活動をご紹介いただきました。

 

田中 典様(滋賀県立彦根工業高等学校)

○田中 典様
(滋賀県立彦根工業高等学校)

 「防災かまどベンチづくり」をテーマに、2学期以降に取組み予定の活動をご紹介いただきました。過去のチャレンジで実施した、都道府県をまたぐワイドなエリアのつながりをヒントに、身近な地域で役割を分担して、大勢が集まることを回避して連携やつながり、郷土愛やコラボを持ち、取り組む予定である旨をご紹介いただきました。

 

○意見交換会

 各パネリストの活動紹介後、林 春男様(国立研究開発法人防災科学技術研究所 理事長)、河田 惠昭(阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター センター長)のコーディネートで「これからの防災教育を語るキーワード~「学校」「地域」「カリキュラムマネジメント」~」をテーマにパネルディスカッション形式の意見交換を行いました。

下記(YouTube)にて、発表当日の模様をご覧いただけます。
(※データ容量が大きいため、表示に時間がかかる場合があります。
https://youtu.be/3FEJ0GeFFdI

2日目:中間報告会

■開会挨拶

 開会挨拶では、林 春男委員長(国立研究開発法人 防災科学技術研究所 理事長)より、「今年は、新型コロナ禍の為に3密を避けるということがあり、それぞれの団体の実践にご苦労があると思います。実際に中間報告会もオンラインでの開催となりました。今日は4つのグループに分かれて、それぞれの実践団体の現状や今後について、実践団体の皆さんと実行委員が話し合う機会とさせていただきました。予定とは違う新型コロナ禍での状況ですが、それにめげず、逆にこうした状況を逆手に取って、本来防災教育が目指している生きる力をのばす実践活動が、できるようになることを願っています。」とご挨拶いただきました。

 中尾 晃史様(内閣府政策統括官(防災担当)付参事官(普及啓発・連携担当))より、「ご承知のように、近年、豪雨、台風といった災害が頻発、激甚化している状況です。
 また、南海トラフ地震や、首都直下地震のような巨大な地震の危険も切迫している中で、私たち全員がいつでも災害が起こりうるという意識を持って命を守ること、命をつなぐことにつなげていかなくてはならない時代です。防災教育は非常に重要な役割をますます高めていると思っています。
 我々は防災意識を高めることを推進していますが、自助・共助ということを常日頃から言いながら地域での防災を推進しています。例えば、地区防災計画など、地域の方々が災害の危険を認識していただき、いざ災害が起きた時にどういう行動を取ればいいか確認いただくことを地域の皆さんにやっていただくよう、様々な支援を申しあげているところです。
 地域防災の中で防災教育は、子供のうちから地域の災害のことを分かって動けるようになるという意味もありますが、教育を受ける子供への影響のみならず、地域で子供、防災教育に携わっている者の活動が地域の中で、波及をしていく、子供はじめ防災教育をやっているからこそ、防災への関心も高まるという広い効果があるとても重要な取り組みだと思っております。
 長く防災教育チャレンジプランやっておりますが、そこの重要性があるからこそ続いていくわけですし、新型コロナ禍で学校教育はじめ、厳しい状況借あるかと思いますが、新型コロナ禍だからこそ、新しい防災教育の在り方を見出していけるといいのではないかと思います。」とご挨拶いただきました。

■防災教育チャレンジプラン実践団体発表

 中間報告会は、2020年度防災教育チャレンジプランに取り組んでいる実践団体(12団体)が、新型コロナ禍での活動経過や今後の課題をzoomによるブレイクアウトルーム形式で共有し、実行委員からのコメント等をもとに2月の活動報告会までの活動をより良くすることを目的に開催されました。
 実行委員からのコメントは各実践団体へコメントシートとして後日配布され、良かった点や改善点、アドバイスなどが伝えられました。
下記(YouTube)にて、発表当日の模様をご覧いただけます。なお、ブレイクアウトルームRoom3および4に関しては、機材トラブルのため、一部のみ公開となります。
申し訳ありませんが、ご了承ください。
(※データ容量が大きいため、表示に時間がかかる場合があります。
開会挨拶、今年度の趣旨・概要の説明

https://youtu.be/1ToZnDFzioU

ブレイクアウトルーム(分科会)
Room1(YouTube)

https://youtu.be/Z8HGn1dj0oE

Room2(YouTube)

https://youtu.be/V80--2l1m1M

Room3(YouTube)

https://youtu.be/JqxVykRvW-A

Room4(YouTube)

https://youtu.be/I1FAdlrwR2k

実践団体発表資料

発表表資料(PDF)

クロージングセッション、閉会挨拶

https://youtu.be/ZEj5QL6Q8aw



 最後に、林 春男委員長より閉会の挨拶として、「4つのブレイクアウトルームを拝見させていただきましたが、どの部屋も大変活発に議論が進んでいて、通常やっている時以上に生産性が上がったような印象を持ちました。今日のキーワードを聞いていると、フィジカルな意味での交流が難しい分、ICTの技術をうまく活用して、それを補うような方向で、皆さん工夫しているのが大体のお話だったと思います。
 残っていただいている12の団体は、こういう状況にもめげず、チャレンジをしようと強い意思を持っていただき、参加いただけているということで、それ自体が大変嬉しいことと思います。
 お話の中身を見てみると、ICTをこれからのベースと考えて、文部科学省の方でもギガスクール構想ということで今年度中に、子供たちに1人1台の端末の環境が実現するという風になったとしたら、本日皆さんは2つの事をお話しされていて、1つはいいコンテンツをそろえることの大切さだというように思います。
 ICTを使えるということは、マルチメディアになるので、今まで以上に、色々な可能性が広がる、アーカイブができるということで、一度作れば、繰り返し使えるということもあり、コンテンツそのものをどう整備していくのかということも、これからの大きなチャレンジになっていく、また防災教育チャレンジプランの将来の実践事例の中に増えていくのではないかという印象がいたしました。
 もう一つは、トランスファーで、スキルやノウハウを持った方が、他の方に伝える、その伝える上でもICTが有効だし、新しいチャレンジを生んでいるということで、コロナの前の世界には戻らない、ニューノーマルの中に今まで以上にICTの活用が入ってくるとすれば、それをどう防災教育の分野に生かしていくのかチャレンジの最先端を皆さんにやっていただいているんだろうとお話しをさせていただいたところです。
 年に2回だけというのはフィジカルに集まるチャンスとして、残しておき、バーチャルに遠隔会議を使用して、頻繁に交流を深めていくのはありだと思いました。」とお話しいただきました。

なお、今年度の最終的な成果報告は、2021年2月13日(土)に開催する予定です。

【防災教育チャレンジプラン事務局】