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2017年度防災教育交流フォーラム

2017年度実践団体の紹介

2017 防災教育チャレンジプラン・防災教育交流フォーラム


「2017年度防災教育交流フォーラムの様子」

 去る2017年10月14日・15日の両日、東京都文京区にある東京大学地震研究所において『2017年度防災教育交流フォーラム』が開催されました。 今年度のフォーラムは、『学習指導要領の改訂を受けた防災教育の充実』と題し、延べ人数188名の方にご参加いただきました。
 1日目は防災教育交流会として、防災教育専門家による基調講演と、過去の防災教育チャレンジプラン出場団体など、防災活動を実践している団体の方々により「学習指導要領の改訂を受けた防災教育の充実」と「地域における防災教育の実践ノウハウ」の2つのテーマに分かれての分科会を、2日目は防災教育チャレンジプラン実践団体による中間報告会を行いました。
 下記に、防災教育交流フォーラムの様子をご報告いたします。


1日目:防災教育交流会

■趣旨説明『防災教育交流フォーラムに期待するもの』

林 春男委員長(国立研究開発法人防災科学技術研究所 理事長)  趣旨説明では、林 春男委員長(国立研究開発法人防災科学技術研究所 理事長)より、「これからも様々な防災交流を促進し、裾野を広げるだけでなく、先進・優良事例も増やしていきたい。」「他の実践団体の中間発表を聞いて良い事例があったらどんどんパクってほしい。」「中間発表では、実行委員からのコメントで辛口の評価をもらう場合があるが、それをきっかけに大化けした事例をこれまで見てきているので、頑張ってほしい。」「これからの防災教育が発展することを願っている。」とご挨拶をいただきました。

森本輝様(内閣府政策統括官(防災担当)付企画官(調査・企画担当))  後藤 隆昭様(内閣府政策統括官(防災担当)付企画官(普及啓発・連携担当))より、「実行委員の平田先生が、『平成29年度防災功労者内閣総理大臣表彰』を受賞されました。受賞の理由として、防災教育チャレンジプランでのお仕事が評価されており、お礼を言いたい。」「今年の福岡の豪雨災害では5年前の被災経験が生きていたが、災害が起きてから初めて防災を学ぶではいけない。教訓を他の地域、若い世代へ継承していくことが必要である。」とご挨拶をいただきました。


■基調講演

○三谷 卓也 様
【文部科学省 初等中等教育局 健康教育・食育課 課長】

三谷 卓也 様【文部科学省 初等中等教育局 健康教育・食育課 課長】  『防災教育の今後の展開』をテーマにご講演をいただき、「改訂された学習指導要領の方向性は、3つのポイント(何ができるようになるのか。何を学ぶのか。どのように学ぶのか。)、安全に関する内容は、学校安全計画をカリキュラムの編成として位置づけることになったことである。」「学校における安全の取り組みは安全教育と安全管理が車の両輪であり、防災教育と防災管理を関連付けた取組の充実が必要である。」「良い事例を地域に合わせて必ずカスタマイズして情報発信してほしい。それらを繰り返すことで良いサイクルが生まれる。」などのお話をいただきました。

○小池 俊雄 様
【国立研究開発法人 土木研究所 水災害・リスクマネジメント国際センター(ICHARM) センター長】

小池 俊雄 様【国立研究開発法人 土木研究所 水災害・リスクマネジメン\
ト国際センター(ICHARM) センター長】  『分かることから行動できるまで』をテーマにご講演をいただき、専門分野である水分野(河川法の変遷、気候変動モデルを活用した高松市での対応等)を事例に、時代を見通した考えの必要性、レジリエンスな社会づくり、心理学(環境の心理、深層心理、唯識)についてご説明いただき、「科学・技術の役割として、包括的な理解の支援とリスクコミュニケーションの推進が必要」などのお話をいただきました。

○佐藤 健 様
【東北大学 災害科学国際研究所 情報管理・社会連携部門 災害復興実践学分野 教授】

佐藤 健 様【東北大学 災害科学国際研究所 情報管理・社会連携部門 災\\
害復興実践学分野 教授】  『東日本大震災と東北の防災教育の現状と課題』をテーマにご講演をいただき、「防災教育にとって普遍なことは、地域ごとの自然環境と歴史を地域ぐるみで探り深く理解するという、「地元学」とプロセスで学習する学び方である。」「大人の学びと子供の学びが分離するのではなく、学校防災と地域防災がまじりあうのが良い。」「災害危険区域の指定などにより、元あった地域での学習活動ができないケースなど難しい課題もある。」などのお話をいただきました。


■防災関係各界の代表者等による分科会

 防災活動を実践している団体の方々により、防災教育における各位の取組の紹介と“学習指導要領の改訂を受けた防災教育の充実” “地域における防災教育の実践ノウハウ”をテーマとした分科会を行いました。

<各位の取組紹介>

佐藤 公治 様【宮城県南三陸町立志津川中学校 教諭】

○佐藤 公治 様
【宮城県南三陸町立志津川中学校 教諭】

 体験的活動を中心に構成(体験的防災教育)、地域の人材等協働教育(生徒が40〜50代の大人になったとの想定のもとで、生徒のみで実施する「避難所運営訓練」を計画、生徒たちが自分で考え行動、避難所において求められる「資質・能力」の育成)などのご紹介をいただきました。

 

田中 良典 様【滋賀県立彦根工業高等学校 教諭)

○田中 良典 様
【滋賀県立彦根工業高等学校 教諭)

 防災かまどベンチ作りが予想以上に防災教育に効果があり、具体的には、備える・人が交わる・意識を高める・訓練の場・他の活動との組み合わせ・防災教育・防災以外のことを学ぶ場としても活用できている点があるなどのご説明をいただきました。

 

田渕 聡 様【福岡県福津市立津屋崎小学校 校長】 古賀 毅 様【福岡県福津市立津屋崎中学校 主幹教諭】

○田渕 聡 様
【福岡県福津市立津屋崎小学校 校長】

○古賀 毅 様
【福岡県福津市立津屋崎小学校 主幹教諭】

 「自らの命を守り抜く児童生徒を育てる防災教育の推進」をテーマに、「小中学校がすべてコミュニティスクール」「9年間を通した防災教育プログラム」等についてご紹介いただきました。さらに、重点化(合わせる)、強化(付け加える)、開発(掘り起こす)の継続の重要性についてもご説明をいただきました。

 

南島 正重 様【東京都立両国高等学校・附属中学校 主幹教諭】

○南島 正重 様
【東京都立両国高等学校・附属中学校 主幹教諭】

 「正しく恐れるために地震を趣味に」をテーマに、安全性の向上に伴う危険予測の能力が麻痺している現在、捨てられるPCやマウスを使って、地震の揺れをデータに取るといった学校での取り組み事例を挙げられ、科学を趣味にすることの重要性、知識や思考の面白さ、学びと社会・自然・防災との結合についてご説明いただきました。

 

小野 哲 様【社会福祉法人七ヶ浜町社会福祉協議会】

○小野 哲 様
【社会福祉法人七ヶ浜町社会福祉協議会】

 eコミマップを活用した防災教育の活動内容についてご報告いただくとともに、社会福祉協議会が中心となって学校・家庭・PTA・地域・行政と連携・協力し、防災教育を通した地域づくりについてご紹介いただきました。

 

苅谷 由紀子 様【社会福祉法人つくば市社会福祉協議会 グループ長】

○苅谷 由紀子 様
【社会福祉法人つくば市社会福祉協議会 グループ長】

 これまでに被災した3つの災害においての、災害ボランティアセンターの活動をご報告いただくとともに、活動経験から今回の問題点や教訓を組織で学び、災害を繰り返し経験していく中で組織として成長していることをご紹介いただきました。

 

高橋 直樹 様【新居浜市消防本部総務警防課 副課長】

○高橋 直樹 様
【新居浜市消防本部総務警防課 副課長】

 金栄校区において小学校で取り組んだ防災教育についてご紹介いただくとともに、子ども・親・高齢者世代がひとつとなって防災教育に取り組むことで、地域と防災を結び付けて学ぶことができることについてご報告いただきました。

 

本田 栄子 様【豊橋障害者(児)団体連合協議会(豊橋市障害者福祉会館さくらピア) 事務長】

○本田 栄子 様
【豊橋障害者(児)団体連合協議会
(豊橋市障害者福祉会館さくらピア)事務長】

 障害者や障害者利用施設における防災教育についてご紹介いただくとともに、障害者利用施設で避難訓練を行うことで、障害者が避難する際の実態や問題点を把握したこと、また、障害者に対する一般の方の理解や配慮の重要性をご報告いただきました。

 

○意見交換会

各パネリストの活動紹介後、実行委員のコーディネートで各分科会のテーマについて意見交換を行いました。その後質疑応答も行われ、それぞれ終始活発な意見が飛び交う場となりました。

「学習指導要領の改訂を受けた防災教育の充実」についての分科会

  • どんなことをきっかけにしてプログラムつくることができたのか
  • 校内を巻き込む工夫や行政を巻き込む工夫について  等
下記(YouTube)にて、発表当日の模様をご覧いただけます。
(※データ容量が大きいため、表示に時間がかかる場合があります。
https://youtu.be/hjcnCWzL2q8

「地域における防災教育の実践ノウハウ」についての分科会

  • 本業が忙しい中で防災教育に熱心に取り組める理由
  • 被災経験のない地域の方に防災教育の重要性を伝えるために必要なこと
  • 知的障害を持った生徒の特性に合わせた防災教育  等
下記(YouTube)にて、発表当日の模様をご覧いただけます。
(※データ容量が大きいため、表示に時間がかかる場合があります。
https://youtu.be/g1edG3K1NVw

2日目:中間報告会

■開会挨拶

 開会挨拶では、林 春男委員長(国立研究開発法人 防災科学技術研究所 理事長)より、「去年からの変更点としてポスターセッションの時間を設けたほか、講評に代えてセッションごとに討論の時間を設けた。」「他の団体の良い所は積極的にパクリましょうと言っており、相互の交流の中でいろいろなものができればと考えている。」とご挨拶をいただきました。

佐谷 説子 様  佐谷 説子様(内閣府政策統括官(防災担当)付参事官(普及啓発・連携担当))より、「内閣府でも防災教育は重要なテーマだと考えている。日本の防災行政を支えてくださっている実行委員の方々からアドバイスをいただき、その意見を取り入れて地域の防災力を高めていただけると幸いである。」とご挨拶をいただきました。

■防災教育チャレンジプラン実践団体発表

 中間発表会は、2017年度防災教育チャレンジプランに取り組んでいる実践団体(19団体)が、これまでの活動経過や今後の課題を発表し、実行委員からのコメントをもとに2月の活動報告会までの活動をより良くすることが目的です。
 実行委員からのコメントは各団体へ配布され、良かった点や改善点、アドバイスなどが伝えられました。
下記(YouTube)にて、発表当日の模様をご覧いただけます。
(※データ容量が大きいため、表示に時間がかかる場合があります。
https://www.youtube.com/playlist?list=PL yCETxXAdkgD_FXLd-pS5dx4OhgnNFLou

 なお、会場の一角では、実践団体の活動をまとめた写真やポスターなどが展示され、来場者の方は熱心にご覧になっておりました。



 最後に、林 春男委員長より閉会の挨拶として、「それぞれの団体の実践に我々が期待しているものは、「活動の具体性」と「今までにない新しいものであって欲しい」ということです。これらを評価の基準としたいので、朝も申したように柔軟に他の取り組みを参考に取り組んでいただくとともに、是非こうした所も考慮して頑張っていただきたい。」とお話しいただきました。


 なお、今年度の最終的な成果報告は、2018年2月17日(土)に東京都内(会場未定)で開催する予定です。防災教育にご関心のある方は、是非ご参加ください。

【防災教育チャレンジプラン事務局】