【1】高齢者とのかまどベンチ交流製作は、高齢者の潜在能力を十分発揮でき、高齢者が経験された防災知識や知恵を継承することに加え、人のあたたかさ、勤勉さや我慢強さ、福祉といった広がり、さらに世代間の気づき、学びなどの効果があり、とても充実した活動となった。
【2】生徒の成長として、防災・減災の意識の高まりだけでなく、命や福祉について考えるようになった。
交流のおかげでいろいろな人と話せるようになった。また製作についても、教えられるようになるまで成長できるなど、自主性、積極性、コミュニケーション能力など様々な面で自信がついた。交流の大切さを生徒自信が感じた活動となった。
【3】防災減災に役立つものづくりを通して、「物」(かまどベンチ)、「食べ物」(炊き出し)、「者」(生徒児童の育成、高齢者のケア、連携協働体制)をつくりあげた。
【4】かまどベンチの製作、活用の取り組みは、どの地域でも活動でき、主体や連携協働パートナーの形態は多様に可能である。本校でも女子生徒が参加、他団体の活動でも女性の参加もあり、老若男女を問わず、子どもからお年寄りまで幅広い年齢層が参加できる防災活動となった。
【5】特に、災害時には要援護者とされる「高齢者」や「退職シニア層」が参加でき、子どもたちと高齢者の相互の防災意識を交流を通して自然に高めていく防災活動の一モデルプランである。
【6】他の団体へのサポート活動から、車いすの方(障害者の方)も製作から携わっていただいた実践があり、災害時に要援護者とされる方の関わりも多様に可能性を発揮する活動である。
【7】ものづくり体験・炊き出し訓練を通して、災害に対する想像力や減災に対する創造力を豊かにし、災害に対してもたくましく生きる力を身につけ、防災の担い手が拡がっていく効果を持つ。
【8】人と人との絆、つながりを強めるためには「手作り活動(製作のプロセス)」が重要である。手づくり活動(製作活動)を抜きにするとつながりの強化が薄れる。
【9】また活動にあたっては、連携協力パートナーの確保も大切であるが、連携協力側よりも主体側での人を集める方が連帯感や意識は高まる。地域の絆やコミュニティの形成をより高めようとするのであれば、本校の活動のような出前製作型よりも各地域(各団体)主体型で製作する方がよい。(学校教育として実施することは別の意義がある。)
【10】活動紹介やサポートの結果、滋賀県内のみならず、全国各地で活動が普及した。
【11】行政との連携を進めたことにより、滋賀県では「減災協働コミュニティ滋賀モデル推進事業」として、施策展開されることになった。三重県上牧町においても材料を援助するなど動きで展開されることとなった。
【12】施工を容易に、また工期を短縮する「穴あきレンガ」を使用した工法を実施した。
【13】多くの方から意見や助言をもらう中、簡易かまどベンチ(穴あきレンガとパイプによる組立で移動可能)について考案することができた。
【14】かまどベンチ作りを既存の防災活動に組み入れることは、かまどベンチづくりにあわせて他の防災活動を取り入れると、活動への関わり方が多様化し、防災減災活動を活性化させる。 |