このプランでは、使用されている学習教材が、自社の防災活動用として企業が開発したものであるという点に特徴があり、学校が企業と防災に関して業務提携し、協働して活動に取り組んでいることも新しいチャレンジだと言えるだろう。この「そなえるカルタ」を使った学習を通して、生徒たちの防災意識が涵養され、それが自らの日頃の備えへと具体化されること、また家族の防災力向上にも寄与することを期待している。
学校法人自由学園は、1921年に羽仁吉一・もと子夫妻によって東京都豊島区西池袋に設立され、その後現在の東久留米市学園町へ移転した。約3万坪の敷地の中に、幼稚園から大学部までの在校生・教職員合わせて850名ほどが生活をしている。防災への取り組みは、東日本大震災の翌年の2012年に、安全対策本部(現危機管理本部)を発足させ、学内の防災力強化と並行して、学校の安全・安心を地域との連携の中で確保することを目指している。そのために行政だけでなく、企業や大学研究室などとも積極的に協働してきている。