中学生が地域の伝統行事や祭りを担い,率先して地域の防災活動を行うことで,地域住民は学校や生徒への信頼を深める。生徒は,大人に認められたり,地元の安全や防災に懸ける大人の情熱に触れたりすることで,ふるさとへの愛着が沸いてくる。
これらの相乗効果で,本校の防災教育が,学校のひとりよがりなものから, 地域の課題を解決する協働的な防災活動へと進化し始めた。その結果,生徒の防災学習へのモチベーションや自尊感情の向上にもつながっていった。
また,中学生と自主防災組織が協働的に地域の防災活動を推進することで,学校と地域はもちろん,地区ごとで活動していた自主防災組織のさまざまな活動が横へとつながり,面となって,校区全体の自主防災組織や防災活 動が活性化するという効果もあった。
さらに,中学生が地域で「防災にわか」を演じたり,地域に津波避難マップや防災新聞を配布したりすることで,学校の防災教育への期待感が増すだけでなく,学校が核となることで災害に備える「防災文化」が地域に根付き始めたと感じている。 |